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老いぼれ犬のセレナーデ
2007-10-11 Thu 00:32
題はEgo-wrappin'の曲名から拝借。

題名を見ていただけた皆様にはもう理解していただけるかと思うが、私は疲れている。
何に疲れているのか、と問われれば、それこそ堰を切った様に様々な愚痴を吐き出すことが出来るが、そういったありふれた心情を表すのはミクシィでの日記の役割。
ここでは余談。

私が思うことを徒然と書いていくわけだが、疲れた時になんとか刹那的に得ることが出来る休息、安息の時間。

それは例えばベッドの上で腕を目の上に置き、夢と現の境に在る時間であったり、食後に、気の置ける友人と静かなコーヒータイムを過ごすことであったりと、私はどうやら、楽しく騒がしくということよりも、静かで心地よい空間を好む癖が出てきたようだ。

数年前まではやかましい若輩者として周囲に可愛がられもし、疎んじられもしてきたが、やはり、時の流れというのは否応なく人に変化をもたらす物であると実感せざるを得ない。


さて、疲れている時に得られるその僅かな安らぎの時間であるが、私はそういった瞬間に、心をどこか遠くへ残し、過去を回想する頭を眺めたり、未来を思いやる不安を、コーヒーやおいしいスピリッツ、カクテルの後に出てくる微かな溜息で誤魔化す、或いは掻き消すのが好きである。


しかしそういった感情はやはり、疲れの増加と共にどうしても深くまで掘り下げてしまうもので、どうにも私のような事柄に縛られる人間は特ではないと、時に神を呪いたくなるものである。

そして、こういった場面にはきっと、年老いてからは日常として触れ合っていかなくてはいけないのか、と、我ながら、まだ見えぬ60年後等を自分に重ねてしまう時もある。
人間、死を身近に感じる年になると、死への恐れよりも、どうやら自分の残してきた足跡を辿ることで、その存在をなんとか感じようとするらしく、それは父や母、他の数名の老紳士・淑女との関わりで知ったことである。

よくそういった人々の話を聞いて、私達のような年代の人間はうんざりするものであるが、確かにそういう話に耳を傾ける気はないにしろ、彼らのような心境に到達している人間には、至極興味を覚えるのも確かである。


何故ならば、やはり私も人の子であるから、死を恐れる気持ちもある。
そして、過去の幸福にしろ不幸にしろ、そして成功や失敗、自分が残してきたもの、残せなかったもの、そういうものを全て悔恨として、涙をこらえるようにして見つめている自分がいるのである。
幾つかの事柄は確かに微笑を持って受け入れたり、溜息を付き頭を少々揺らしてやることで誤魔化すことが出来るようになったにせよ、未だ、当時の自分、関わってきた人々に後ろ髪を掴まれ続けている感はいなめない。


だから、私は時に思う。
老人の話は確かに過去の話であり、その光芒ばかりを話すような人間にはほとほと疲れてしまうのであるが、その彼らは過去を見つめ、時には充足を感じ、時には後悔を感じ、しかしながら、それらはもう無いものだと理解して、ただゆっくりと瞼を閉じてその鮮明な自分を、感情を抜きにして見つめている。


その、なんと穏やかな感情の波紋であることか------------


まるでそれは、六月の朝に当然の如く露に塗れた紫陽花の葉から、零れる最愛の蜜を大地が吸っているかのようであり、夏に蛍が、短い生涯に疑問もなく、ただ照らしていた事実を理解していくようにして、夜に消えていくようなものに、私は感じられるのだ。

五月の陽射しは柔らかく、そして涼しく暖かく、針葉樹の葉を縫って木漏れ日として私の目を柔らかく包むわけだが、あの不意に訪れる、無音で無為の、満ち足りた瞬間の連続。

私の心も常に穏やかであってくれ、と。
そう叫んでいる自分に冷笑しながらも、ただそう願う瞬間に私は又、コーヒー臭い吐息をもらすだけなのかも知れない。


セレナーデとは、元来、夜、恋に落ちた男が見初めた女性の住む家の窓の下で歌う甘い旋律の歌・曲を指すが。
老いて我が身を振り返る時に、そのような優しく甘い心持で自分を見つめられるとは、それはなんと幸せなことであるのだろう、と私は夢想してみるのである。

願わくば、私のその旋律は穏やかで暖かみのある音色であって欲しいものだ。
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